三重公演 2016/09/10(土)~11(日)
深津演劇祭~深津篤史コレクション舞台編 参加作品
カラカラカラカラ
外から音がする
カラカラカラカラ
人もまばらな避難所、小学校の講堂
ラジオが明日も快晴であることをつぶやいている
ラジオのつぶやきを耳にしながら女はマニキュアを塗る
カラカラカラカラ
その音を気にしながら漫画をよむ人
その音にまぎれて訪ねて来る家族や友人
カラカラカラカラ
その傍らで少女はプリントの問題をといている
その少女を見守る男
カラカラカラカラ
外から音がする
作
深津篤史演出
はせひろいち(劇団ジャブジャブサーキット)出演
中村京子(空の驛舎)広田ゆうみ(このしたやみ)
田中遊(正直者の会)
佐々木淳子(劇団●太陽族)
香川倫子
はしぐちしん
スタッフ
[舞台美術]川上明子[舞台監督]山中秀一
[照明]池辺茜
[音響]あなみふみ(ウイングフィールド)
[宣伝美術]橋本純司
[装画]中野ひかり(劇団ものありき)
[制作協力]尾崎商店
[主催]コンブリ団
[共催]特定非営利活動法人パフォーミングアーツネットワークみえ(三重公演)
[助成]芸術文化振興基金、アーツサポート関西、大阪市
京都芸術センター制作支援事業
「カラカラ」
本作は2014年に46才の若さで亡くなった深津篤史の戯曲です。1月に阪神淡路大震災が発生した1995年5月に「芸術祭典・京」参加作品として京都の春日小学校跡地で初演され、その後ブローアップして同年8月に桃園会特別公演『カラカラ[改訂版]』としてアイホールで上演されました。震災後の避難所を舞台にしたこの作品には、深津自身の想いが折り込まれています。震災時、大阪にいた深津は被災を免れましたが、芦屋市にある実家は全壊しました。「震災」がその後の深津戯曲において大きな位置をしめるモチーフとなっていく、その転機となった作品です。「Re:ブリックス」とは
既存の戯曲をコンブリ団で上演する新シリーズです。「身近な演劇の創造」を基軸としてはしぐちしんのオリジナル戯曲を上演してきたコンブリ団が、現代近代古典を問わず普遍性の高い戯曲を「身近な演劇」として今改めてRe:ブリックス=再構築していきます。
深津演劇祭~深津篤史コレクション舞台編
2014年7月31日、病気のため他界した、劇作家・演出家、深津篤史。彼は、関西のみならず、全国あるいは海外でも高い評価を受け、次代の演劇界を牽引する若手劇作家・演出家として、様々な世代から支持を得ていました。
この度、彼の遺した戯曲などを厳選のうえ収録した、作品集「深津篤史コレクションⅠ・Ⅱ・Ⅲ」(2016年7月31日3巻同時刊行予定)の発刊に伴い、「深津演劇祭~深津篤史コレクション舞台編~」を開催いたします。
演劇祭では、彼と交流のあった劇団およそ10団体が、作品集の収録戯曲などを中心に、2016年9月からおよそ1年間以上にわたり上演を繰り広げます。
各地を代表する実力派劇団が作品に新しい命を吹き込みます。どうぞご期待ください!
アフターイベント「深津戯曲を読む」
各回終演後に劇作家・演出家をゲストとしてお招きし、リーディングとアフタートークを予定しています。リーディングでは深津篤史氏の様々な戯曲の中から、ゲストが読みたい、もしくはゲストに読ませたい作品をピックアップし、その一部をリーディングいたします。その後に深津戯曲の魅力についてのトークを行います。